歯磨きや食事の際のストレスになる口内炎の治療と予防について
2016/10/19
食事の際に口の中が痛むことに気づいたことはないでしょうか。
痛みに気づいて口の中を見てみると皮膚が白く変色している箇所があるかと思います。それが典型的な口内炎であり口の中の痛みのもとです。
口内炎はなかなか治らないことが多く食事の際に大きなストレスになります。口内炎に対する知識をしっかりと身につけられるよう、なってしまったときの治療法と、なりにくくするための予防法について紹介していきます。
口内炎の種類について
口内炎といっても様々な種類があります。
その中でも代表的な口内炎が「アフタ性口内炎」、「ウィルス性口内炎」、「カタル性口内炎」、「カンジダ性口内炎」の四つです。
今回はこの四種の特徴や症状について紹介していきましょう。
▼アフタ性口内炎
アフタ性口内炎は冒頭でも紹介した症状のもので、頬や唇の内側、舌、歯ぐきなどに赤い縁取りの2ミリから10ミリ程度の白い潰瘍が出来ます。
これは触るととても痛く、酸性のものがしみるために食事の際には大きなストレスを伴うようになります。
原因ははっきりとはまだ特定されていないのですが、体調を崩しているときに出来やすいと言われ、ストレスや疲れによる免疫力の低下、睡眠不足、栄養不足などが考えられます。
▼ウィルス性口内炎
この症状の場合、多くは口の粘膜に水ぶくれが出来てそれが破れることで口内炎となります。それが発熱や強い痛みをもたらすのです。
この口内炎の場合は名前からもわかる通りウィルスが原因となって引き起こされます。その原因となるウィルスはいくつも存在し、一般的な風邪のウィルスから、ヘルパンギーナや手足口病、梅毒や淋病などの性病などの多岐にわたります。
▼カタル性口内炎
カタル性口内炎にかかると口の中の粘膜部分に赤い腫れや水ぶくれができてひどくただれます。
先に紹介したアフタ性口内炎の場合は潰瘍になった部分がくっきりと分かりますが、カタル性口内炎の場合はその境目がはっきりとしない状態でただれます。
その他にも唾液の量が増えて口臭が発生したり、口の中に熱を持ち味覚の感覚が鈍くなったりすることもあります。
これらは虫歯や歯槽膿漏、入れ歯などによって口の中が不衛生になった時に起こりやすいと言われています。
▼カンジダ性口内炎
この口内炎は発症すると白い苔のようなものが、頬の内側や舌、口蓋(こうがい)など口内全体に広がり付着します。
これらは食事の際に痛みを伴い、白い苔が剥がれると出血や赤く炎症を起します。その原因となるのは口内の常在菌であるカンジダ菌が通常よりも増殖してしまうことです。
これらは体調不良などで体の抵抗力が落ちているときに引き起こされますが、よほどのことがない限りは発症せず、別の病気にかかり著しく抵抗力が落ちてしまっている時に発症することがほとんどです。
糖尿病や血液の疾患、悪性腫瘍やエイズなどの病気、それ以外には妊婦や子どもに高齢者などの抵抗力の低い人がかかる可能性があります。
口内炎の治療法
治療法ですが口内炎の種類によってそれぞれ適した治療法を行っていく必要があります。
▼アフタ性口内炎
基本的に放っておいても自然に治癒します。
しかし、治癒する前には不快な痛みを伴いますので早く治したい場合は、ケナログやアフタゾロンなどのステロイド剤入りの軟膏を塗ったり、アフタッチなどの貼り付け型、サルコートのようなスプレータイプの薬を使用するとよいでしょう。
▼ウィルス性口内炎
まず、原因となるウィルスを特定する必要があります。
内科、皮膚科、泌尿器科等で血液検査を行い、原因菌を調べたうえでそれに対応した抗ウィルス剤の軟膏や薬を飲む治療しなくてはなりません。
▼カタル性口内炎
口の中の不衛生なことが原因ですので、まずはそれらの治療を行わなくてはいけません。
歯の矯正や歯槽膿漏の治療などの地道な改善が必要となってきます。長い目で見て治療を行っていきましょう。
▼カンジダ性口内炎
口内で増えすぎたカンジダ菌が原因となりますので、抗真菌剤を用いて治療を行います。
抗真菌剤を含んだ薬でうがいや軟膏をつけるなどの治療を施します。しかし、カンジダ性口内炎の場合はその発症の要因となる基礎疾患があることがほとんどですので、並行してそちらの治療も行っていく必要があります。
口内炎にならないための予防
口内炎は治療できることがほとんどですが、治るまでの間は歯磨きや食事の際にツライ思いをすることになります。ですので予防して口内炎にならないことが一番です。
どの口内炎にも共通しているのですが、発症は当人が不健康な状態であることが原因にあるということです。つまるところストレスを溜めずに睡眠をしっかりとり、栄養をきちんと摂取していれば口内炎が発症する可能性は低くなります。
健康であれば口内炎以外の病気にかかるリスクも下がりますので、そのへんに注意して日々を過ごしましょう。