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沈黙の臓器は静かに蝕まれていく…脂肪肝にならないために

      2017/01/18

脂肪肝

肝臓は摂取した食品の栄養素が全て経由し、体の様々な臓器へ送る臓器です。また、摂取した毒性の高いものや、体内の活動によって生じた不要な物質を無害なものに変換し、体の外へと排出する機能も担っており、いわば私たちの体内工場ともいうべきものです。

この臓器に様々な原因によって中性脂肪やコレステロールが蓄積した状態が脂肪肝と呼ばれています。

脂肪肝の症状

肝臓は沈黙の臓器ともいわれるように、異常が起こっても自覚症状がありません。ただ、以前より疲れを感じるようになこともあります。これは肝臓がエネルギーを作り出す臓器であるため、脂肪肝によって肝細胞に障害がおこると、エネルギーを生成する能力が落ちてしまうためです。

血液検査で、肝機能の指標となるAST(GPT)やALT(GOT)、ɤ-GTPといった数値が上昇した場合は、脂肪肝だけではなく肝臓に何らかの障害が起きている証拠なので注意が必要です。

特に、日常的に飲酒をしている方やメタボリックシンドロームと診断された方、糖尿病、高脂血症などと診断されている方は脂肪肝になる危険性があります。

脂肪肝は放置すると脂肪性肝炎へ進行し、肝炎によって炎症が繰り返されると肝硬変や肝臓がんへと進行します。脂肪肝自体は命に関わる疾患ではありませんが、放置しておくことで命に関わる重大な疾病を招いてしまうのです。

脂肪肝の原因

・飲酒
アルコールは肝臓で体に無害な水と二酸化炭素に分解されますが、その前に発生するのがアセトアルデヒドです。アセトアルデヒドは毒性が高く、お酒の飲みすぎで肝臓での処理が追いつかなくなると体内に残ってしまいます。

残ったアセトアルデヒドによって肝細胞が傷つけられたり、肝臓での中性脂肪の分解を抑制する働きもあります。さらに中性脂肪の原料となる脂肪酸の合成も促進する作用があるため、中性脂肪が体内に過剰に存在し、その貯蔵場所として肝臓に貯蔵されてしまうのです。

その結果肝臓に脂肪が蓄積して脂肪肝が引き起こされます。

・非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
以前は飲酒以外で脂肪肝や肝硬変になることはないと考えられていましたが、近年問題になっているのがNAFLDです。

アルコール性の脂肪肝や肝臓疾患は男性に多い一方、NAFLDは女性の方に多い疾患です。その病因としては肥満と体内におけるインスリンの感受性が低下することによるインスリン抵抗性が挙げられます。

さらに、最近は若く痩せている女性にも脂肪肝がみられることがあります。これはダイエットなどの極端な栄養不足により引き起こされたものです。NAFLDは単純に脂肪が肝臓に蓄積した場合はいいのですが、一部は進行性の非アルコール性脂肪肝炎(NASH)となります。

NASHになるとアルコール性肝炎よりも急速に病状が進行し、肝硬変や肝臓がんを発症します。

・薬
注意しなければならないのが、薬やサプリメント、漢方薬などを服用している場合です。薬などの成分によっては服用が引き金になって起こる薬物性肝障害という疾患があり、脂肪肝を発症する場合もあります。

脂肪肝になる要因がないにもかかわらず脂肪肝と診断された場合は服用している薬などを医師に告げるようにしましょう。

脂肪肝かな? と思ったら

脂肪肝は自覚症状がほとんどないので、健康診断などで肝機能に関する数値が悪化している場合は内科や消化器科を受診しましょう。肝臓専門の診療科を備えている病院もありますので、かかりつけ医などと相談の上受診してください。

脂肪肝という診断は血液検査のほか、CTやエコー検査で肝臓への脂肪の蓄積度合いを確認します。また、肝臓を直接採取して診察する肝生検を行って確定診断をしますが、ほとんどはCTなどで肝臓への脂肪蓄積が認められると治療が開始されます。

脂肪肝への対処法

脂肪肝自体には治療薬がありません。基本的にはアルコール性の場合は飲酒の制限を、非アルコール性の場合には食事制限の指導が行われます。いずれにしても、脂肪肝になる素因として肥満、脂質異常症、高血糖、高血圧といった疾患を抱えている場合が多いので、まずはそれらの改善を行います。

肝臓は体に供給するエネルギーの量を調節するために中性脂肪やコレステロールを蓄積しているので、有酸素運動などで体を動かし、過剰に蓄積してしまった脂肪などを燃焼させて代謝を促すようにしましょう。

また、急にダイエットをしようとして無理な食事制限を行うと逆効果ですので、食べすぎには注意し、3食きちんととりしながら食事療法や運動療法を行うようにして下さい。

肝臓は症状が出にくいために、自覚症状が出た時には病気が進行していることも多くあります。健康診断では肝機能の数値を確認し、少しでも気がかりなことがあれば早めに医師に相談するようにしましょう。

 - 肝臓・膵臓・腎臓の病気