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薬がアダとなる…お薬手帳を活用して薬剤性大腸炎予防

      2017/01/13

薬がアダとなる…お薬手帳を活用して薬剤性大腸炎予防

薬剤性大腸炎(薬剤起因性腸炎)とは、薬によって起きる腸の異常のことです。

軽い発熱や腹部の不快感、下痢など、症状があまり激しい形で現れない場合もありますが、脱水から深刻な事態に発展することもあるため、早めに気づいて対処する必要があります。

薬剤性大腸炎の症状

薬剤性大腸炎の大部分を占める抗生剤起因性腸炎は、さらに偽膜性腸炎と出血性腸炎に分けられます。

・偽膜性腸炎
偽膜性腸炎では、下腹部に鈍い痛みを感じ、水っぽい下痢状の便が出ます。お腹には張りを感じ、ゴロゴロと大きな音も聞こえます。高熱ではありませんが、ある程度の発熱も感じることが多いです。

こうした症状は、抗生剤を使ってから5~10日ほど後に出てくるのが一般的です。偽膜性腸炎は高齢者に多く、また抗生剤を使うのはなんらかの病気にかかっている時が多いため、その病気が原因だと誤った判断を下さないように注意が必要です。

・出血性腸炎
出血性腸炎は、その名の通り、血便が出ることが特徴です。偽膜性腸炎では血便はあまり見られないのですが、出血性腸炎では血便が出ます。大腸からの出血のため、その色は真っ赤です。

その他、偽膜性腸炎との違いとしては、こちらは激しい腹痛があり、高齢者よりも若者に多い、といったことがあります。抗生剤を使ってからこれらの症状が出てくるまでは、3日前後です。

薬剤性大腸炎の原因

偽膜性腸炎が発症するのは、抗生剤を飲むことで腸内の細菌の集まり、いわゆる腸内フローラのバランスが乱れるためと考えられてます。腸内フローラが破壊されると、腸の中でディフィシル菌という細菌が増え、粘膜がその毒素の影響を受けて傷つき、様々な症状が出てしまうのです。

偽膜性腸炎の偽膜とは、このディフィシル菌が腸の粘膜に作る円形の膜のことです。これは大腸の一部に留まらず、重症の場合には大腸全体に発生することもあります。

一方、出血性腸炎の方はまだ詳しい原因がわかっていませんが、風邪をひいた時などに処方されるペニシリン系抗生剤に対するアレルギー反応が起きた結果、腸がただれたり、潰瘍ができてしまい、そこから出血すると考えられています。

ケースとしては少ないですが、こうした抗生剤以外にも抗がん薬や免疫抑制薬、経口避妊薬や消炎鎮痛薬など、他の薬によって腸に異常が起きることもあり、これも薬剤性大腸炎に分類されます。

薬剤性大腸炎の治療法

この病気では、普通に口から水を飲んだり食事をすると腸が刺激されてしまうため、点滴で栄養や水分を補う必要があります。出血している場合はもちろん、下痢でもひどい脱水症状を起こす可能性があるためです。

その上で、まずは他の病気でないか判断するために検査を行います。

偽膜性腸炎ではディフィシル菌の有無がポイントとなるため、検便することになります。また、大腸内視鏡検査により、腸の粘膜に独特の偽膜ができていないかということも調べます。

出血性腸炎の場合には、腸の粘膜にただれや潰瘍、出血箇所があるかどうかを確かめます。

検査によって薬剤性大腸炎という判断ができた場合には、原因となっている薬の使用を中止します。出血性腸炎の場合、その後は普通の腸炎と同じようにお腹を安静にしているだけで改善が見込めます。

偽膜性腸炎の場合、症状が重い時には、これに加えてディフィシル菌に対抗するための薬を使用する場合もあります。

薬剤性大腸炎の予防法

ある薬を初めて飲む時、それによって腸内フローラに影響が出るかどうかは誰にも分かりません。しかし、かつて飲んだ薬で悪影響が出たという記録を残しておけば、少なくとも薬剤性大腸炎の原因となる薬の処方は見送られるでしょう。

たとえかかりつけの医師がいる場合でも、自分でも薬のことを覚えておいて二重チェックをした方が安全でしょう。処方薬局で渡されるお薬手帳を最大限に活用してみましょう。

また、そもそもこうした強い薬を飲まなくても済むような健康な体を維持しておくのが最大の予防、という考え方もあります。薬が原因である以上、薬を飲まなければ絶対に発症しないわけです。

そこまでは無理だとしても、普段から腸内フローラを意識し、善玉菌を増やして健康な状態を保っておけば、バランスがひどく乱れた状態で抗生剤を飲むよりも、その影響が小さくなると期待できます。

そのためには、ヨーグルトや野菜、果物などを食べて善玉菌を増やし、逆に肉や脂肪は控えめにして悪玉菌を減らす、といったように、すこし日々の食事に注意してみると良いでしょう。

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