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定期的な検診が予防につながる…弁膜症とは

      2017/01/13

定期的な検診が予防につながる…弁膜症とは

心臓は全身から流れてきた血液を受け取り、それを肺に送ることで酸素の含まれた血液になり、その新鮮な血液を再び全身に送るという働きをしています。

そのため、心臓を流れる血液は一定方向でなければなりません。心臓には弁があり、血液の逆流を防いでいます。その機能がうまく働かなくなる状態を弁膜症といいます。

弁膜症の症状

心臓は右心房、右心室、左心房、左心室と四つの部屋に分かれています。右心房は体を巡ってきた静脈血を受け取り、それが右心室に送られ、肺動脈を通り肺に送られます。肺動脈で酸素をたっぷりと得た血液は肺静脈により左心房を通り、左心室に送られ、最後に大動脈を通り全身に血液を送ります。

右心房と右心室を隔てる弁を三尖弁、左心房と左心室を隔てる弁を僧帽弁といいます。肺動脈と大動脈にも弁があり、それぞれ肺動脈弁、大動脈弁と呼ばれています。

弁膜症には弁が閉じにくくなることで血液が逆流する閉鎖不全症と、弁が固くなり狭まる狭窄症があります。どの弁にも弁膜症が発生する可能性はありますが、主に問題となるものについて紹介いたします。

・僧帽弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症

弁の閉鎖不全による逆流または狭窄による流れの悪さにより、左心房が拡張します。全身に送られる血液の量が減り、肺からの血液の流れが滞るため肺高血圧症や肺うっ血により、肺に水がたまる肺水腫となり呼吸困難になります。

ただし、これは急性に発症した場合であり、慢性的に進行している場合は初期には現われないことが多いです。しかしながら徐々に進行していくことで息切れ、呼吸困難といった症状が見られます。

左心房が大きくなると弁膜症性心房細動が発生する確率が高くなります。弁膜症性心房細動は命を失う可能性が高い危険な状態です。

・大動脈弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症

左心室から大動脈への血液の流れが滞るために左心室が拡張し、左心室の負担が増えます。全身に血液を送る要となるのが左心室となるために、この左心室の機能が低下すると胸の痛み、運動した後に疲れやすく息切れする、失神などの症状が出てきます。

初期は見られないことが多いですが、症状がでた段階ではすでにかなり進行している可能性が高く突然死の危険性も高いです。

・三尖弁閉鎖不全症

右心室から右心房に血液が逆流します。全身から心臓に送られてくる血液の流れが滞るために全身のむくみ、肝臓の腫大などがみられます。

どの弁膜症でも進行すると最終的には心臓の機能が低下し、いわゆる心不全という状態になり呼吸困難、息切れ、動悸といった症状がでてきます。

弁膜症の原因

弁膜症には先天的に弁の形が変形している先天性のものと、様々な原因によりなる後天性のものがあります。

後天性による原因は様々です。かつては弁膜症は子どもの時にリウマチ熱にかかり、それが大人になって弁の狭窄症を発生させるというものが多かったようです。現在では、医療の発達によりリウマチ熱が原因のものは近年では減ってきています。

時代を追うごとに、加齢が原因となり大動脈が硬化することによる大動脈弁狭窄症や弁の変性が起こる僧帽弁閉鎖不全症が増えてきています。生活習慣病による動脈硬化もリスク要因となっているのではないかと考えられています。

弁膜症の治療法

残念ながら弁膜症は自然に治ることはありません。治療は手術による外科治療と、薬による内科治療に分かれます。

内科治療

・強心剤:

心臓の収縮力を高めることで低下した心機能を助けます

・利尿剤:

血液の流れが滞ることによるむくみや肺水腫を改善させます

・抗不整脈薬:

心臓のリズムを整え、不整脈を防ぎます。

・降圧薬:

血圧を下げることで心臓の血管へのダメージを減らします。内科治療は根本的な原因を治すわけではなく、あくまで弁膜症に付随した症状を和らげるものです。内科治療で管理できないような場合は外科治療になります。

外科治療

・弁形成術

人工弁輪というリングを用いて、患者自身の弁の形やその周囲の組織の形を整えることで弁機能の回復をはかります。弁の位置や構造上から僧帽弁・三尖弁・肺動脈弁の治療に適応させる場合が多いです。

・弁置換術

患者自身の弁を取り除き、人工弁に置換する方法です。使う人工弁には牛や豚の生体組織を用いた生体弁と、金属を用いた機械弁の2種類があります。

どちらの素材がいいかは状況によりますが、どちらの場合でも人工弁の劣化等により将来的に再手術が必要な場合があります。大動脈弁は構造、位置的に弁形成術が難しいため弁置換術が適応になる場合が多いです。

弁膜症の予防法

原因が特定することがなかなか難しい弁膜症ですが、リウマチ熱などのように感染症が原因のものもあります。風邪をこじらせないように病院に行きしっかりと治療するのも大切です。

また、高齢や生活習慣病がもととなる弁膜症も増えてきているため、コレステロールの取りすぎには注意し、適度な運動を行うことで体の中の血流をよくして強い血管を作りましょう。

初期は自覚症状がない場合も多いため、定期的な人間ドックなどを行い、早期発見、治療を心がけましょう。

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