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個性なのか病気なのか…線引きの難しいパーソナリティ障害

      2017/01/13

個性なのか病気なのか…線引きの難しいパーソナリティ障害

パーソナリティという言葉には、性格や人格という意味があります。社会生活をする中で、その枠から考え方や行動が非常に外れてしまっている状態がパーソナリティ障害(境界性人格障害)といわれます。

それが個々人の個性なのか、精神疾患なのか、その線引きは非常に難しいものです。

パーソナリティ障害の分類

パーソナリティ障害はその傾向によっていくつかに分類することができます。アメリカ精神医学会では大きく分けて三つのグループに分けています。

1、奇妙で風変わりなタイプ

感情表現が乏しく、自分の世界の中に閉じこもるジゾイドパーソナリティ障害や、他者に対する不信感が強く、他人に馬鹿にされたなどすべてを悪意として受け取ってしまう妄想性パーソナリティ障害などの例があります。

テレパシーや千里眼といった特殊な能力を持っていると考えている統合失調型パーソナリティ障害もこの群に含まれています。

2、気まぐれで感情的なタイプ

非常に攻撃的で衝動的な行動が多い反社会性パーソナリティ障害、感情が不安定で自傷行為などを繰り返すなどの症状が出る境界性パーソナリティ障害、周囲の注目を引こうと芝居がかった態度をとる演技性パーソナリティ障害などの例があります。

自分が選ばれた人間であると自負する自己愛性パーソナリティ障害がこの群に含まれます。

3、不安感が強く内向的で臆病なタイプ

人と親しくなりたいと思いながら、傷つくことを恐れ人との関わりから逃げてしまう回避性パーソナルティ障害、何事も自分で決めることができずに些細な事柄でも他人任せにして責任回避する依存性パーソナリティ障害などの例があります。

几帳面で融通がきかず、全てにおいて完璧さを求める強迫性パーソナリティ障害が含まれます。

パーソナリティ障害の症状

私たちは様々な状況下において十人十色の考え方をします。たとえば、なにかで失敗をした時に、自分はダメな人間だと思う人もいれば、これくらいの失敗で済んだからよかったと思う人もいます。

それは個人の持っている性格や個性によるもので、パーソナリティ障害とは一概に断言できません。

そのような考え方が他の人よりもひどく偏っており、それに対し本人が非常に苦痛だと思っていたり、まわりの人たちが苦痛だと感じてしまう場合にパーソナリティ障害と診断されます。

たとえば、以下のような場合にパーソナリティ障害と診断される可能性があります。

・「自分はダメな人間だからみんなに迷惑がかかるので死んだ方がましだ」と自傷行為を行ってしまう
・「自分が失敗したのはほかの人のせいで自分は全く悪くないんだ」と他人を傷つけてしまう
・「失敗したのはエイリアンに操られているせいだ」と結論づけてしまう
・そもそも失敗をしていないのに「あの人は口では言わないけれど、きっと失敗しているんだ」という考えてしまう

ただし、本当にそれがパーソナリティ障害なのか、個性なのかの線引きは非常に難しく、うつ病などほかの精神疾患を併発することが多いので、なかなかパーソナリティ障害という診断を下すのは難しいものです。

理解しておかなければならないのは、パーソナリティ障害は様々な要因によって引き起こされる精神疾患であることが、環境によって形作られるもともとの個性や人格とは異なるという点です。

個人の思考や性格はすべて異なるのが普通ですので、考え方が異なるからといって安易にパーソナリティ障害だと決めつけるようなことはしないようにしましょう。

パーソナリティ障害の原因

なぜパーソナリティ障害になるのかという原因はいまだに解明されていません。遺伝子の変異や脳の構造変異といった生物学的な特性によるものや、神経伝達物質であるセロトニンが作用する神経系の機能低下によってもたらされるといった研究報告もあります。

また、人格が形成される幼少期に特に母親から虐待を受けたり、ネグレクトを受けたりするといったつらい体験をしたこともパーソナリティ障害を引き起こす原因であると考えられています。

パーソナリティ障害の治療法

パーソナリティ障害の治療は患者さんと治療を行う医師や心理カウンセラー、まわりの人たちがお互いに長い期間協力し合うことが重要です。

治療はパーソナリティ障害の方がどのようなことが問題になっているかや、どうすればその問題を解決に導けるのかを認知行動療法や精神分析的精神療法といった精神療法によって考えていくとともに、パーソナリティ障害を引き起こしている原因を緩和していきます。

また、薬物療法はパーソナリティ障害と併発している精神疾患の治療が主になりますが、パーソナリティ障害に対してはセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や向精神病薬を投与することによって症状が軽減します。

最近ではパーソナリティ障害は年齢を重ねるごとに徐々に症状が軽くなっていくことが明らかになっており、薬物治療や精神療法を併用することによってより症状が軽減しやすくなるというデータもあります。

パーソナリティ障害の予防法

パーソナリティ障害を発症する原因が明らかになっていないため、予防法についてはまだ明らかになっていません。

ただ、幼少期における虐待などの精神ストレスがパーソナリティ障害の一因になりますので、子どもにいたわりをもって接することや、虐待などを受けている子どもを見かけたら早めにケアすることが重要です。

また、少しでも気にかかる症状の方がまわりにいる場合は、悪化する前に福祉保健局やカウンセラーなどに相談し、誰かを傷つけたり自分を傷つけてしまう前に適切な処置が行われるようにしましょう。

 - 精神・心の病気