アレルギー・ヘルスケア119番

鼻炎やアレルギー、アトピーや健康全般についての情報サイト。

*

2タイプの記憶障害…社会生活もままならない長期記憶障害も

      2017/01/13

2タイプの記憶障害…社会生活もままならない長期記憶障害も

記憶障害は、なにかを覚えられない状態と、それを思い出せない状態に大きく分けられます。

新しいことを覚えられなければ、約束や指示を守ることができなくなり、今まで積み重ねてきたことが思い出せなければ、他人との何気ない会話や当たり前のようにしてきた行動ができなくなります。

どちらの場合でも人生に大きな影響を与える可能性がある深刻な症状です。

記憶障害の種類

記憶障害の分類には様々な方法がありますが、ここでは短期記憶障害と長期記憶障害の2種類に分けて解説いたします。

人間の記憶のメカニズムは、次の3ステップに分けられます。

・記銘
与えられた情報を記録します。メモ用紙にメモを取るようなステップです。

・保持
その情報を維持します。メモ用紙を引き出しにしまっておくステップです。

・想起
必要な情報を取り出します。メモ用紙を引き出しから探し出し、読み上げるステップです。

この3ステップのうち、記銘がうまくできないと、新たな情報を蓄えることができなくなります。

短期記憶障害は主に記銘能力の低下から起きる症状で、つい最近のことやさきほど言われたことが思い出せなくなります。頭の中のメモ用紙が探し出せないのではなく、新たに書くことができない状態ですので、覚えられないという表現の方が正しいかもしれません。

高齢者の場合は、老化による物忘れと思われてしまうこともありますが、なにかを記憶したということ自体を覚えていない場合には、短期記憶障害が疑われます。

これに対し、想起が正常にできなくなると、せっかく蓄えた情報を適切に取り出すことができなくなります。頭の中の引き出しにはきちんとそのメモ帳がしまわれているわけで、こちらは文字どおり思い出せないということになります。

この症状を長期記憶障害と呼びます。

記憶障害の症状

短期記憶障害では同じ情報、たとえば今日の日付を頻繁に何度も聞いたり、数分前に指示されたことを完全に忘れてしまったりします。

発生頻度が少なく、記憶が失われるのがごく短時間であっても、駐車場から車を出す時や信号待ちのタイミングでそれが起きれば大事故につながりますし、職場や家庭でも、取引相手との大切な約束を忘れてしまったり、火にかけた鍋を放置してしまったりすれば、やはり大変な事態になります。

また、偏頭痛と共に短期記憶障害が起きる場合もあり、これは脳梗塞やくも膜下出血といった深刻な病気の症状の一つという可能性もあります。

長期記憶障害で思い出せなくなる情報には、過去の思い出や人の名前、言葉の意味といった言葉で表現できるものと、何かをするための身体の動かし方のような言葉で表現できないものがあります。前者を思い出せなくなる状態は健忘とも呼ばれます。

思い出を失い、家族や友人のことを忘れれば精神的に孤立していきますし、包丁の扱い方や洗濯物のたたみ方、バスの乗り方など行動を忘れていけば、最終的には自分だけではなにもすることができなくなってしまいます。

長期記憶が失われるということは、社会生活を困難にする深刻な事態なのです。

記憶障害の原因

短期記憶障害は、主に記銘を担当する脳の海馬の能力が低下したために起きるとされています。海馬はなんらかの事故や病気で損傷することもありますし、うつ病や自律神経失調症、てんかんや統合失調症などでうまく動かなくなることもあります。

また、ストレスに弱いことも知られていて、健康な人でも強いストレスを感じていると十分に海馬を働かせることができなくなります。

アルツハイマー型の認知症の初期症状として短期記憶障害が発生することはとても多く、次第に長期記憶障害にもなりますから、これは両方の原因といえるでしょう。

事故や脳梗塞、くも膜下出血などで海馬以外の部分が傷ついた場合も、長期記憶障害が発生することがあります。その他の長期記憶障害の原因としては、思い出したくないような体験をしたことによる強いショックやストレスなどが考えられます。

記憶障害の治療法

脳そのものに問題がなく、他の原因によって起きた短期記憶障害は一時的なものが多く、治療を必要としないこともあります。もちろん、自分や周囲に被害が出るような深刻な状態なら、放置することはできません。

長期記憶障害や、脳に原因がある短期記憶障害は専門家による治療を必要とします。短期記憶障害でも脳梗塞やくも膜下出血が原因の場合は命に関わるため、すぐに対処してください。

強いショックが原因の長期記憶障害なら、カウンセリングや催眠療法によって、心の負担を取り除くことで改善が見込めます。

脳の損傷による記憶障害は完治が難しいとされていますが、リハビリによって体を動かすことで脳に刺激を与え、記憶に関する部分が活性化したり、他の部分が代わりに働くようになったりする可能性があります。

認知症の場合も根本的な治療は難しいのですが、早期に治療を始めることで、今以上に記憶障害が進行することを防いだり、進行を遅らせたりすることができますから、単なる物忘れと見過ごさずに素早く行動し、諦めずに治療を続けることが大切です。

 - 脳・頭部の病気