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発熱にけいれん、てんかん発作まで…急性小児片麻痺とは?

      2017/01/13

発熱にけいれん、てんかん発作まで…急性小児片麻痺とは?

急性小児片麻痺は片側痙攣、片麻痺症候群とも呼ばれています。急性期以降にてんかんを発症した場合は、厚生労働省が難病指定している片側痙攣、片麻痺、てんかん症候群とされます。

急性脳症のカテゴリーとして考えられ、画像診断に偏ると急性脳炎、脳症後てんかんとして判断されるされる場合もあり、外科治療の機会が遠いてしまう可能性を回避するためにも、患者の実際の症状や様子などを臨床的に診て判断する必要があります。

急性小児片麻痺の症状

急性期に発熱を伴い、体の片側あるいは片側に優位に見られる全身性痙攣を引き起こし、その後に顔から足まで同じ側の片麻痺が起こり、急性期以降にてんかんの発症が見られます。

具体的には、それまで異常が認められなかった小児に感染症や発熱が見られ、発熱に伴って痙攣が起こりますが、全身性の痙攣で左右の差が明らかでないケースもあれば、片側の優位性が見られる場合や先行したり長引いたりする場合も多く見られます。

痙攣では、眼球や頭部の一方の側に偏り、顔・口もと・手・指の筋の伸張と収縮を反復し、その部位が移動する場合が多い亜急性期になると痙攣と同側あるいは優位側の片麻痺が顕著となります。

片麻痺の程度は色々あり、麻痺を残すようなケースも少なくありませんが、軽度の場合もあります。ジストニアという筋肉に起こる障害、知的障害や精神行動障害を伴う場合も珍しいことではなく、大脳半球の障害で一方の側からの刺激が認識できなくなる失認などの高次脳機能障害、失語症を伴うケースもあります。

急性期以後は片麻痺以外には症状が現れない時期を経て、てんかんの症状が現れます。

急性小児片麻痺の原因

急性小児片麻痺の原因はまだ明らかにされていませんが、急性脳症の一部として乳児に見られる難治てんかんや、熱性けいれんに関わるSCN1A遺伝子の変異が発症に至るまでのメカニズムの解明に関係があるとして注目されています。

また、遺伝性の偏頭痛に関わる原因遺伝子とされるCACNA1A遺伝子の変異にも同様の関心が寄せられていて、研究が進められています。大人の脳に対し、小児の脳は未熟です。

脆弱性や可塑性、ウィルスの感染によって引き起こされる発熱、免疫や炎症などに関係するタンパク質の異常反応、遷延性のてんかん発作、脳の働きに関わる神経細胞を有害な物質から守る機能の障害など、多岐にわたる要因が複雑に関係していることが推定されています。

急性小児片麻痺の治療法

初期の主な急性期症状である痙攣やてんかんに対しては、ベンゾジアゼピン系を中心とする抗てんかん薬を静脈から注射することで投与します。ベンゾジアゼピン系は精神安定剤にも多く存在しています。

難治性のてんかん重積状態の場合では全身麻酔を使用し、必要に応じて人工呼吸や血圧を上げるために昇圧剤の持続的な投与などの支持療法によって治療を行います。

他にも、脳圧降下薬、ステロイド、抗ウイルス薬を投与するなどの急性脳症に対する治療に準じた治療が行われます。

片麻痺が顕著に現れる亜急性期になると、リハビリテーションとしての理学療法や作業療法を始め、その他の合併症として言語障害を伴うケースであれば、言語聴覚士によるリハビリテーションを行うなど障害に応じて治療法の選択を考慮します。

慢性期のてんかんの場合は、発作型に応じた抗てんかん薬の投与による治療を行います。薬剤に抵抗性が見られる場合であれば、大脳半球離断術、脳梁離断術、迷走神経刺激療法など、てんかんに対する外科的な治療を考慮します。

治療を行って発作を抑制することができれば、再発の危険性を保護者に十分説明した上で、同意が得られた場合は経過を観察しながら投薬の減量や中止を行います。

片麻痺などの合併症においては亜急性期からのリハビリテーションを続けて行い、関節の拘縮や変形、下肢長差などに応じて装具を着けたり、痙攣麻痺などに使用されるA型ボツリヌス毒素の投与を含む内科的な治療や整形外科的な治療を行います。

知的障害や精神行動障害においては、教育機関などで受ける教育を中心とし、重症度に合わせた対応を行います。ケトン食療法が難治てんかんの対応として考慮されるような場合であれば、治療指針に従って実施します。

急性小児片麻痺の予防法

急性小児片麻痺を引き起こす原因と考えられている発熱、感染症の予防、熱性けいれんの予防が大切になります。発熱やけいれんが見られた場合は画像診断に偏らない診察が必要となります。

また、ベンゾジアゼピン系の薬剤が普及したことによって、てんかん重積状態の改善に有効であることも考えられています。小児に異常が見られた場合は、早期に医療機関、まずは小児科で診察を受けることが重要となります。

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