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鳥刺しが原因に?!体の免疫が敵となるギラン・バレー症候群

      2017/01/13

鳥刺しが原因に?!体の免疫が敵となるギラン・バレー症候群

ギラン・バレー症候群は厚生労働省によって難病の特定疾患に指定されています。

医療費補助の対象にはなっていませんが、人口10万人あたり年間1~2人の患者がいると推定されており、発症すると手足が痺れたり呼吸困難になるなど重症化することがあることから、注意を要する病気とされています。

ギラン・バレー症候群の症状

ギラン・バレー症候群の症状は主に二つの段階に分かれます。

過半数の患者においては、初期段階で症状が見られます。

ギラン・バレー症候群が発症する1~2週間前に発熱、喉の痛み、胃腸炎、結膜炎など風邪をひいた時と同様の症状が見られるようになります。特に下痢が含まれる場合は、カンピロバクターによる感染の疑いが強いとされます。

次の段階は、風邪と似た徴候が現れてから数週間後になります。

多くの場合、まず足の筋力の低下が見られます。左右対称の両側性であるため、足に力が入らないと歩行が困難になります。筋力の低下は次第に身体の上半身へと広がっていき、重症の場合には顔面の筋肉も動かなくなり、目を閉じることができなくなります。

呼吸をするための筋力が低下してしまう場合には、呼吸困難に陥ることもあります。

手足が動かなくなるという点がもっとも目立つ症状ですが、こういった症状以外にも感覚麻痺が生じ、手足に物が触れるとビリビリとして痺れを感じることが多くなります。

症状は1か月近くでピークに達し、その後は緩やかに改善していくケースがほとんどです。1年後には過半数の患者が完全に回復するといわれていますが、障害が残ってしまう患者も約2割ほどいます。

軽症で済むケースと重症化するケースがあるなど重症度は様々です。重症度の指標はどれだけ運動できるかによって7段階に分類することができます。軽い症状の方は補助器なしで歩行が可能ですが、重症の場合は車イスが必要になったり人工呼吸器が必須となります。

最悪のケースになると死亡することもある病気とされており、一般的に非常に重い病気として見なされます。

ギラン・バレー症候群の原因

ギラン・バレー症候群の原因は自己免疫によるものです。本来ならば、免疫システムは体の外からやってきた異物やウィルス、細菌を排除するために身体に備わっているものです。しかし、なんらかの理由によって自己の組織や細胞を誤って攻撃してしまうことがあります。これが自己免疫疾患です。

ギラン・バレー症候群の場合は、免疫細胞が自己の末梢神経と呼ばれる身体の先端にある神経を攻撃することによって起きます。攻撃の対象は、神経の周囲を保護する髄鞘(ずいしょう)と呼ばれる部分の場合と、神経そのものである軸索の場合があります。

髄鞘を攻撃するものは脱髄型と呼ばれ、欧米でよく見られます。一方で軸索を攻撃する軸索型は日本に多いとされています。

自己免疫疾患になるそもそもの要因は、ウィルス、細菌、ワクチン、薬剤など多種多様です。特定の要因はなく、感染症や外部からの異物を攻撃する際の生体内でのプログラムのミスによって発生すると考えられています。

比較的発生しやすい要因も判明しており、細菌ではカンピロバクターが特に有名です。カンピロバクターの感染源は鶏肉であることが多く、不十分な加熱での肉食、鳥を生で食べる鳥刺しなどが原因でギラン・バレー症候群にかかることがあります。

他にもワクチンも原因とされており、最近注目されているのがインフルエンザのワクチン接種による副作用としてのギラン・バレー症候群です。インフルエンザの予防接種を行ってから数週間後に手足のしびれを覚え、ギラン・バレー症候群にかかる症例が報告されています。

インフルエンザのワクチン株とギラン・バレー症候群との関係性は明確になっていませんが、注意必要です。

ギラン・バレー症候群の治療法

ギラン・バレー症候群の治療には複数の治療法が確立されています。

・免疫グロブリンを大量に投与する方法

この治療法では早期投与が治療の予後にいいとされており、ギラン・バレー症候群と診断された場合には約5日間ほど点滴を打つことになります。なんらかのウィルスや細菌に感染している場合は、この免疫グロブリンによって感染源を除去することが可能になるというメリットがあります。

また、ステロイドを併用することで予後の経過がよくなると考えられていることから、同時に投与することが推奨されています。ステロイドにより炎症や自己免疫を抑えるというメリットを期待することができるのです。

・血漿交換療法

血漿(けっしょう=血液の液体部分)を交換することで、血液に含まれる抗体や補体といった免疫に関与する成分を除去する目的があります。血液中の成分を分離し、ろ過した後は血液を再び体内に戻します。

また血液を元に戻す代わりに、血液に元来含まれているアルブミンを投与する場合もあります。この血漿交換療法はアメリカやイギリスなどの欧米では一般的になっています。

治療後に体を安静にしていると筋力がますます低下してしまいますので、筋力や腱の強度を維持するためのリハビリが不可欠になります。リハビリによって回復の度合いが大きく変わってくるのです。

 - 肺・気管支の病気