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血友病は遺伝や突然変異が原因…症状と治療・予防法まとめ

      2017/01/13

血友病は遺伝や突然変異が原因…症状と治療・予防法まとめ

血友病は出血が止まりにくくなってしまう病気です。遺伝や突然変異が原因と考えられています。部位によって症状も異なり、見極めが難しい病気でもあります。血友病の症状や予防法についてご紹介いたします。

血友病の症状

症状は出血が起こった部位や程度によって異なります。

肘、膝、足、肩、股など関節内に多く見られ、出血の前に違和感を伴うこともあり、出血が起こると痛みや腫れ、熱感などの症状が現れます。出血を繰り返すことによって血友病性関節症に至るケースがあります。

次に多く見られるのは筋肉内の出血で、重症の場合は外的な要因などの原因がなくても出血が起こることがあります。足、腕、尻部、腸腰筋などに出血が起こることが多く、痛みや腫れ、熱感の他に動かしにくいと感じることがあります。

首や喉は、扁桃炎や咽頭炎を患っていたり、ひどい咳をした時などに出血することがあります。出血が拡大しやすく、気道や食道を圧迫するため呼吸がつらくなったり、食べ物を飲み込みにくいといった症状が現れます。

扁桃炎や咽頭炎、歯科での治療中などで口腔内や歯肉にも出血が起こることがあります。頻度は高くありませんが、胃や十二指腸、大腸などの粘膜が傷つくことで出血する場合があります。

吐瀉物や便の中に血が混じる症状が見られます。短時間で大量の出血が起こる場合もあるため、重症の貧血やショック状態に至るケースもあります。皮下には青あざや血の塊ができ、大きな出血となっていることや触ると痛みがあるといった症状が見られます。

腎臓で出血した場合は血尿となり、腰痛や腹痛を伴うこともあります。頭蓋内で出血が起こった場合は頭痛やめまい、吐き気などの症状が現れますが、子どもの場合は症状が明確に現れないことがあるため、注意が必要となります。

血友病の原因

血液を固める凝固因子の一部(VIII因子、IX因子)の活性が十分でないか、欠けていることで出血時間が長くなると考えられています。X染色体で連鎖し、劣性で発症します。男性の染色体はXY、女性はXXです。そのため、男性の方が発症率が高くなるといわれています。

遺伝子の突然変異によって血友病を発症する例もあるため、必ずしも遺伝的要因で発症するとはいえません。治療やけがなどで出血をした時に血液が固まる時間が通常に比べて長くなるることで気がつくケースもあります。

血友病の治療法

血液凝固因子を注射により補う療法があります。これらの因子が体内に入ることで異物と判断された場合、因子を攻撃するために作られるインヒビターが邪魔をして出血が止まりにくくなります。

細菌などから身を守るために生まれつき持つ免疫による働きがインヒビターを作り出します。血液凝固因子を注射することでインヒビターの量が増えるハイレスポンダータイプの場合、乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体(aPCC)などのバイパス製剤を使用するバイパス療法を行います。

血液凝固因子を注射してもインヒビターがそれほど増えないローレスポンダータイプの場合、血液凝固因子を通常の量より多めに注射する補充療法を続けます。大量に注射する場合は中和療法と呼ばれることもあります。

定期的な注射によって血液凝固因子に対するインヒビターによる攻撃を止める免疫寛容療法を行うケースがあり、この治療法はよく用いられています。いずれの場合も血液凝固因子を補って血友病の治療とすることが目的とされています。

血友病と薬害エイズ事件の関わり

血液凝固因子製剤が非加熱であるため、ウイルスが活性化したままの状態で血友病の治療に用いられ、多くのHIV感染者やエイズ患者を生み出した事件がありました。死者もあり、訴訟問題にまで発展しました。

HIVに感染している可能性のある他国の血液提供者からの血液を原料として製造された血液凝固因子製剤をウイルスに対する処理を行なわないまま治療に使用したことが原因です。

この後、提供された血液を加熱処理することに至り、前述の製剤は非加熱製剤と呼ばれるようになりました。1985年4月にWHOが加盟各国に対し、血友病の治療に対して加熱製剤を使用するように促し、これを受けて当時の生物製剤課長が加熱製剤を早期に承認する方針を示した結果、加熱第VIII因子製剤が7月に承認、加熱第IX因子製剤が12月に承認されました。

血友病の予防法

子どもの場合は全ての予防接種を受けることができるため、血友病の予防接種を受けることになります。出血の予防としては、血中凝固因子濃度を保つために定期補充療法が用いられます。出血していない時に定期的に血液凝固因子を補います。

出血する可能性のあることをする場合は事前に製剤を注射しておくことも予防となります。海外旅行に行く場合は主治医に英語で必要書類を書いてもらい、持参する必要があります。飛行機に製剤や注射器、注射針などを持ち込むため、事前の準備が重要となります。

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