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無理のない薬の服用が大切。自己免疫性容血性貧血の症状や治療法

      2017/02/08

自己免疫性容血性貧血の症状や治療法

概要

自己免疫性容血性貧血は、赤血球が自己抗体に破壊される事で起こる貧血症状です。

まず血液は、赤血球、白血球、血小板、血しょうから成ります。

その中で赤血球は、体中に酸素を運ぶ役割を果たしています。赤血球成分のほとんどはヘム色素とグロビンというたんぱく質が結合したヘモグロビンです。

貧血はヘモグロビンが減少することによって起きる症状です。

溶血性貧血とは、鉄分の摂取不足や出血等による貧血とは違い、血液中の赤血球が自己抗体によって破壊され失われる事により引き起こされる貧血なので、大きな要因は免疫システムが正常に機能せず、体が自分の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患です。

ですので、自己免疫疾患によって赤血球が破壊される事で起こる貧血を「自己免疫性溶血性貧血」と総称します。

自己免疫性溶血性貧血には、原因も症状もさまざまです。

赤血球と自己抗体の結合によって血管内で起こる場合、37度以上で結合するものを温式抗体溶血性貧血、37度以下で結合が強いものを冷式抗体溶血性貧血と呼称します。

自己免疫性溶血性貧血患者は現在全国に約1,300~1,700 人います。

うち、温式抗体溶血性貧血の患者は9割で冷式抗体溶血性貧血の患者は1割です。

年齢は幅広く、温式抗体溶血性貧血は小児期に発症発見される例が多いです。若年層(~30歳)の場合は女性に多く、50~70歳代の老年層の場合は男女差がないことが特徴です。

症状

自己免疫性溶血性貧血は無症状の場合もあれば、疲労感や息切れがあったり、顔色が青白くなるといったわかりやすい症状があらわれる場合もあります。

主な症状は、
●だるさ
●動悸
●頻拍(早い心拍)
●息切れ
●筋肉痛
●めまい
●頭痛
●吐き気
●嘔吐
●下痢

上記などがあり、これらは全て貧血によるものです。

急激発症では発熱、全身衰弱の他に、心不全、呼吸困難、意識障害を伴う事もあるので注意が必要です。

慢性化すると胆石症を合併し、重症化すると、白眼の部分や皮膚が黄色くなる黄疸がみられたり、脾臓の腫れによる腹部の不快感、膨満感を自覚します。

それらは、血液中にビリルビン(健康な状態では血液中にごくわずかしか存在しない血液中の黄色い色素成分。赤血球が破壊される事により数値が上昇する)の増加によるもので、尿が黒赤色になるといった症状もみられます。

原因ですが、なんらかの理由で別の病気によるものであれば、リンパ節の腫れ、圧痛、発熱等原因となっている病気の症状が著しく現れる場合もあります。

自己免疫性溶血性貧血は、原因も症状も様々ですがその進行もまた様々です。

無症状で自然治癒する例もあれば急激発症する例もあり、また発症後に慢性化、重症化しやすい例もあれば、症状が進んだ後一旦落ち着くといった例、逆にそのままゆっくりと進行し続ける例もあります。

原因

自己免疫性溶血性貧血は遺伝性ではありません。よって自己要因、環境(疾患、疾病、病気)要因です。

自己抗体によって赤血球が破壊される事によって起きますが、残念ながら現在ではまだそのメカニズムが明らかにはなっておらず、原因不明の特発性のものが約半数を占めると言われています。

ただし、自己抗体が免疫システムの不正常によって起こる自己免疫疾患によってつくられる事だけはわかっています。

自己免疫疾患には、膠原病(ベーチェット病、全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、悪性関節リウマチ、シェーグレン症候群等。国の難病特定疾患に指定)リウマチ性疾患、内分泌疾患、神経疾患等があります。

その他には、慢性リンパ性白血病や悪性リンパ腫などのリンパ増殖性疾患患者や、 マイコプラズマ肺炎患者、HIV患者にもみられる場合もあります。

診断

自己免疫性溶血性貧血は血液の病気なので、血液検査が最も有効です。

血液検査で貧血であることが確認されたら、自己免疫反応等の原因の特定に入ります。

血液検査の結果で、ヘモグロビン濃度低下、間接ビリルビンの値上昇、、血清ハプトグロビン値低下、網赤血球増加、尿中便中ウロビリン体増加、骨髄赤芽球増加、乳酸脱水素酵素(LDH)上昇などがみられれば、自己免疫性溶血性貧血の診断基準になります。

また、乳酸脱水素酵素(LDH)上昇しているかというのも有効な手がかりとなります。場合によっては骨髄検査も有効です。

また、赤血球の細胞膜に結合している免疫グロブリン(血中に含まれる抗体)の存在の有無を調べるCoombs(クームス) 試験によっても診断できます。

クームス試験は、血液型の判定にも用いられ「抗グロブリン試験」とも呼ばれています。

クームス試験には、患者の血清と健常者の血液を混合したものに抗体を加え、赤血球の凝集反応の有無を検査する「間接クームス試験」と、患者の赤血球を浮遊させた液に抗体を加え同反応の有無を検査する「直接クームス試験」の2種類があります。

臨床検査と併せ、主症状(だるさ、動悸、頻拍、息切れ、筋肉痛、めまい、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢等)や、黄疸、尿の色等を合わせて診断します。

治療方法

自己免疫性溶血性貧血には、副腎皮質ステロイド薬である「プレドニン」が有効です。

プレドリンは、炎症やアレルギーを抑えます。
膠原病、リウマチ性疾患にも有効で、約90%の患者は、服用により症状の改善がみられます。

ステロイド薬には、飲み始めに、イライラ感、不眠、消化不良等の副作用がある場合もあります。

また服用が長期にわたったり量が多いと、脂肪がつきやすくなったり、ムーンフェイスといって顔が丸く浮腫むこともあります。長期または大量の服用の場合は注意が必要です。

副腎不全の状態で急に服用を中断すると、重篤な反発症状がでる危険性があるので要注意です。

ただし、ステロイド薬が一概に強い作用があり副作用が起こるのではなく、服用の量や期間によってまったく違います。

少量であれば長期にわたってもまず心配の必要はありません。

量が多めになると副作用がでやすくなるので、治療が長引く場合は、定期的に検査を受ける事が大事です。

ステロイド薬が無効の場合は、シクロホスファミド「エンドキサン」やアザチオプリン「イムラン」といったの免疫抑制薬が処方されます。

また、抗体をつくっているBリンパ球に対するモノクローナル抗体製剤「リツキサン」が難治性の自己免疫性溶血性貧血に有効であることが、最近の研究でわかっています。

対応策

自己免疫性溶血性貧血は、ストレスや感染症により症状が悪化しやすい病気です。

まずストレスの少ない生活を心がけます。そして手洗いやうがいなどで感染症を予防する事も大事です。

冷式抗体溶血性貧血の場合は、体温の低下が赤血球と自己抗体の結合を招くので、寒さを避け保温を心がける事が予防法として有効です。

手足や顔の露出を避け、室温、服装に気を配ることが自分でできる一番の対策です。体温をあげて基礎代謝、新陳代謝を活発にする適度な運動も非常に有効です。

自己免疫性溶血性貧血は、現段階ではしくみがはっきりわかっておらず、症状、原因、進行が患者により非常に様々なので、気になる症状、当てはまる症状がある場合は医師への早めの受診がおすすめです。

その際は血液内科を受診します。

また、治療薬である副腎皮質ステロイドホルモン薬は、医師の指示通りに服薬しましょう。

用法要領を守らなかったり、自己判断による服用中止は非常に危険です。不快な症状や副作用が気になる場合は、医師に相談しましょう。

なお、ステロイド薬の副作用による肥満症、ムーンフェイスは減量によって改善できます。血糖値の上昇も起こりやすくなるので、間食を控え、カロリー過多にならないよう気をつける事が大事です。

 - Ⅱ型, アレルギーの種類