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過敏性腸症候群とは?急な腹痛や便意にお悩みの方は要チェック!

      2017/01/13

過敏性腸症候群とは?急な腹痛や便意にお悩みの方は要チェック!
通勤途中や通学途中に、急にお腹が痛くなってトイレに駆け込む。このような状況を頻繁に経験している方は、案外多いかもしれません。

現代のストレス社会に晒されている、20~40代に多く見られる症状とも言われていますが、この症状は、過敏性腸症候群(通称・IBS)と呼ばれています。

以前は過敏性大腸(症候群)とも呼ばれていたようですが、小腸にも関係することが判明したため、最近ではこの名称で呼ばれるようになっています。

ここでは、そのIBSについて詳しく見ていきたいと思います。

過敏性腸症候群の症状

IBSは、大腸の蠕動(ぜんどう)運動や分泌機能に異常が生じることで発生する、多くの症状をまとめてそう呼んでいるものです。

大腸・小腸を中心とする消化管検査や血液検査では、原因がはっきりしない・特定出来ないという点が大きな特徴となっています。さらに、ローマ基準という世界的な診断基準により、自覚症状からIBSだと判断することも可能となっています。

次の2つの症状が3か月以上続く場合、ローマ基準でIBSだとします。

・排便によって軽減する、腹痛や腹部の不快感、または排便の回数や大便の硬さの変化を伴う腹痛や腹部不快感

・排便回数の異常、大便性状の異常、大便排出異常、粘液の排出、または膨満感やお腹が鳴る症状のうち、二つ以上を伴う排便障害

また、IBSは基本的に以下のような発症の仕方の傾向があります。

・下痢型
突然便意を催し、下痢を発症するタイプです。通勤、通学時に発症したことがあると、その経験が更に悪循環となって、外出が困難になることがあります。

・便秘型
腸の動きが悪くなって便が滞留し、便から水分が失われて硬くなったり、ウサギの糞のようになったりします。

・交替型
下痢型と便秘型が交互に発症するものです。

・分泌型
腹痛と共に大量の粘液が肛門から分泌されます。

・ガス型
おならのようなガスが出るもので、人前で出した経験などがあると、更に緊張感で悪循環となってガスが出やすくなります。

主な症状としては、腹痛や腹部の不快感、便通異常となりますが、お腹が頻繁に鳴ったり、頭痛や動悸、不安感、抑うつ症状など、直接腹部に関係しないような症状が出ることがあります。

過敏性腸症候群の原因

IBSの原因は必ずしもはっきりと判明しているわけではありませんが、自律神経の異常による大腸や小腸などの消化管の(蠕動)運動の異常、消化管の知覚過敏、ストレス、暴飲暴食などが、単体や複合で要因となって発症するとされています。

なお、消化管の知覚過敏とは、過去のIBSの発症や、その時点でIBSと無関係の、人前での下痢やおならがトラウマとなり、ちょっとした症状がより増幅されて、大腸や小腸に影響を与えるというものです。

また、感染性腸炎後に発症する人もいるため、免疫の異常の関係を疑う説や、腸内にあるセロトニンがストレスにより分泌され、それが腸内のセロトニン受容体と結合して、蠕動運動の異常をもたらすとする説もあります(過敏性腸症候群の治療法の薬物療法でも触れます)。

過敏性腸症候群になりやすい人

IBSになりやすい人としては、ストレスに弱い人や、自分の感情を上手く表現するのが下手な人、自分の感情を自覚するのが下手な人が挙げられます。

感情表現や感情自覚が下手な人の場合、辛さや悲しさなどの精神的不調の解消が出来ず、それが腸にストレスを与え、症状として表れる傾向にあります。

過敏性腸症候群の治療法

IBSの治療法としては幾つか考えられます。

・生活療法
喫煙、アルコールの多量摂取、水分コントロール、暴飲暴食など、生活を改善することで、治療とするものです。

また、腸内の細菌バランスを改善することも必要で、乳酸菌などを積極的に摂取することも重要となります。ヨーグルトや乳酸菌飲料を摂取すると共に、オリゴ糖なども摂取し、腸内の善玉菌を増やすことが重要となります。

・ストレスマネージメント・コントロール
IBSの主要な原因とされるストレスをどう軽減、解消するかも重要な治療となります。

ジョギングやサイクリングなどの軽い運動やヨガ、精神科での心理療法をはじめとして、自分がもっともリラックス出来るようなことを見つけて実行することが重要となります。

・精神面での治療
精神科や心療内科に通い、カウンセリングや投薬(薬物療法でも触れます)により症状を改善させます。

・薬物療法
生活改善やストレスコントロールでも症状が良くならない場合、薬物を投与して治療します。主に以下のような薬物による治療が考えられます。

1)セロトニン3受容体拮抗薬
過敏性腸症候群の原因でも触れましたが、ストレスを感じた時に腸のから分泌されるセロトニンの働きを抑えます。分泌されたセロトニンと腸内のセロトニン受容体が結合することで、腸の蠕動運動に異常をもたらすことを避ける目的があります。

2)高分子重合体
大便の中に含まれる水分の量を改善・管理して、便の硬さを丁度良い状態に保つ効果があります。

3)抗コリン薬
下痢や腹痛などの症状改善のために投与します。胃腸の痙攣を鎮める作用があるため、腸の過活動を抑えてくれます。下剤と真逆の効果を発揮します。

4)消化管運動調節薬
大腸や小腸などの消化管の蠕動運動を調節する薬です。活発にする方向へ作用するもの(下剤含む)と、逆に抑えたりする方向へ作用させるものがあり、前者は便秘、後者は下痢のような状態に効果的となります。

5)整腸剤(乳酸菌製剤)
生活療法の部分でも触れましたが、腸内環境を改善するため、乳酸菌を増やす目的で投与します。食事療法でも代替が可能となります。

6)下剤
便秘の場合に投与します。腸の運動を活性化します。酸化マグネシウムなどが該当します。

7)向精神薬
精神面が大きく作用する症状でもあるため、根本原因となる精神面をケアする目的で抗うつ薬などを処方することがあります。

過敏性腸症候群の予防法

基本的に精神状態やストレスとの関係性が疑われる症状ですので、日頃からストレスを溜めないようにすることや、相談できる相手を作っておくことなどが肝心となります。

また日常生活面では、食生活で無理をしないこと、飲酒を控えめにすること、睡眠時間を十分に取ることに気をつけましょう。

加えて、人前での下痢やおならなどの失敗体験が、症状により拍車を掛ける傾向があり、悪循環となってしまいますので、その連鎖をどう断ち切るかということも重要なポイントとなります。

そのような場合には、消化器科だけではなく、精神科なども利用していくことも考慮に入れると良いでしょう。

 - 生活習慣病