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全身性エリテマトーデス

      2017/01/27

全身性エリテマトーデス

概要

非常に珍しい症状を伴う病気として難病指定されているものはいくつか存在しますが、全身性エリテマトーデスはその中でも特異な性質を持ったものです。
人間の身体には外部から侵入した抗原に対して抵抗する抗体というものがあります。全身性エリテマトーデスではこの抗体が自分の細胞に対して反応してしまう自己免疫疾患と同じ疾患を発症し、名前の通り全身に症状が広がります。
その症状は全身に見られる皮疹や関節症状、また重度なものになると中枢神経病変、腎障害などに症状が及び、命を落とすケースも珍しくありません。
原因とされるのは抗体を製造するBリンパ球が異常に活発状態となり、自己抗体を大量に生み出してしまうためとされていますが、そもそもなぜBリンパ球がそのような状態になるのかなど根本的な原因はまだはっきりとはわかっていません。
治療の方針としては一般的な免疫不全症と同じく、免疫の過剰反応を抑えるために副腎皮質ステロイド薬などの薬を使用しながら治療します。こうした治療を継続すると難病指定された全身性エリテマトーデスといえども5年生存率は9割を超えています。しかし、前述したとおり、その症状が中枢神経や腎不全、感染症などに及ぶと致死率は大幅に跳ね上がります。

症状

難病指定されている全身性エリテマトーデスでは、名前の通りその症状が全身に及ぶことで知られています。比較的症状発症から初期の段階では、発熱や全身の倦怠感など症状だけではまず全身性エリテマトーデスと分からない状態が生じます。
しかし、より症状が表面化してくるとこれらの症状に続き蝶型紅斑と呼ばれる頬に生じる赤い発疹が現れます。これは全身性エリテマトーデスに特徴的な症状で、この段階になれば顔だけでなく、首や鎖骨周辺などに紅斑が見られるようになります。
ここまで症状が進めば風邪やその他の皮膚病と混同されることもないので、多くの方がこの段階で医師の診断を受けます。
こうした皮膚・肌の変化と平行して多くの方は関節炎の症状も現れます。これは関節リュウマチと非常によく似た症状なので混同されることもありますが、多くの場合ではこの他にも先ほど挙げた皮膚の症状や、日光の刺激に対して異常に過敏となる症状などが現れます。
こうした初期症状を経て次の段階では臓器に症状が現れます。臓器の症状では蛋白尿や糸球体腎炎と呼ばれる腎障害が現れ、それからより重篤化すると腎不全など生命を脅かす病気にまで発展することもあります。
この他にも全身性エリテマトーデスは皮膚や腎臓だけでなく、全身にその症状が及ぶことも特徴で、心臓や肺など重要な臓器にも大きなトラブルが生じることもあるので、早期発見が何よりも重要となります。

原因

難病指定されている全身性エリテマトーデスでは、その原因としてBリンパ球の異常な活性化が挙げられます。全身性エリテマトーデスは自己免疫異常に分類される病気なので、自身の抗体が自らの細胞などを攻撃してしまうことで全身に症状が現れます。そのためBリンパ球の活動により製造された自己抗体によって腎臓や心臓、肺や中枢神経など一?間違えれば死に繋がるような重要な場所で様々なトラブルを巻き起こします。
しかし、こうしたBリンパ球がその主な原因として考えられている全身性エリテマトーデスですが、なぜ生じるのかという根本的な原因はまだ明らかになっていません。
しかし、他の多くの病気と同じく全身性エリテマトーデスも遺伝的な要因が原因であると予想されています。全身性エリテマトーデスは1万人に1人という非常に稀な症例ですが、一卵性双生児ではその発症率が約70%と非常に高いことから、何らかの共通遺伝子をもつものであると考えられています。
また全身性エリテマトーデスのさらなる特徴として女性に圧倒的に多い病気だという点も重要です。発症者の男女比は1対10で女性が圧倒的に多いので、女性ホルモンや女性特有の遺伝子など、性差からその原因を探る動きもあります。

診断

難病指定されている全身性エリテマトーデスの検査では、赤血球沈降速度・尿検査・末梢血血液検査・胸部X線・心電図など数多くの精密な検査が求められます。特に免疫血清検査で重要になる自己抗体の検査では、免疫グロブリン・補体の測定や抗Sm抗体・抗リン脂質抗体の検査が重要な診断基準となります。
日本国内でも患者の少ない病気なので、その判断基準としてはアメリカのリウマチ協会の「改訂基準」を元に診断が下されます。
しかし、こうした前段階として皮膚や顔に現れる特有の症状を元に検査が行われる事もあります。全身性エリテマトーデス特有の症状として顔面紅斑や口腔内潰瘍などが挙げられますが、こうした症状が診断時に現れていないか慎重に検査が行われます。また関節炎の有無も全身性エリテマトーデスの判断では非常に重要な意味を持ちます。もちろん全身性エリテマトーデスだけでなく、関節炎はその他のウイルス性の病気やリウマチなどでも症状として表面化しやすいものではありますが、全身性エリテマトーデスの場合には皮膚の発疹や光線過敏症と呼ばれる太陽光・紫外線に対する皮膚の異常反応などいくつもの指標を合わせて最終的に全身性エリテマトーデスであるとの診断が下されます。

治療方法

難病指定されている全身性エリテマトーデスですが5年生存率は9割以上で、一般的に難病と聞いてイメージされるようなものではなく、対処治療がある程度存在するものでもあります。自己免疫異常に分類される全身性エリテマトーデスではその症状を緩和するために、主に副腎皮質ステロイド薬が使用されます。これは免疫の異常を抑えると共に、皮膚の炎症を抑える効果も期待できるので多くの場合治療の初期に適用されますが、これでも回復が見られない場合も多いのが実情です。
そうした場合には免疫抑制薬などの薬物療法も平行しながら治療を行っていきます。しかし、これらは現れた症状に対しての対処療法的な側面も否めず、具体的に病気の根本を治療するという部分には至っていません。
しかし、こうした治療を継続することで症状の悪化や新たな病気の発祥を抑えることが可能なので、前述したとおり全身性エリテマトーデスの5年生存率は9割以上と高いものになっています。
全身性エリテマトーデスが死に繋がる重篤な症状となるのは中枢神経障害、腎不全、感染症などの病気に発展した時ですが、こうした取り返しのつかない症状にまで発展しないよう生活環境の改善や指導など様々な処置が取られます。

対応策

全身性エリテマトーデスでは全身にその症状が及び、治療にも人体に影響が出るほどの大量の副腎皮質ステロイド薬を使用することも多いので、治療外にも具体的な対応策を取らなければ、副作用でさらなる症状を引き起こしてしまいます。
こうした副腎皮質ステロイド薬の主な副作用としては満月様顔貌や感染症だけでなく、骨粗鬆症なども誘発するので、活性型ビタミンD製剤などによって対応が必要になります。
また日常生活でも多くの対応策を取ることが必須となります。患者の多くでは日光・紫外線に対して異常に反応してしまう光線過敏症が見られるので、直射日光に当たる現場を避けるなど、日常生活の制限も必要になります。また薬剤アレルギーを引き起こす確率が非常に高くなるため、必要な場合には全身性エリテマトーデスの主治医の指導の元行う必要があります。
妊娠や外傷なども全身性エリテマトーデスの症状を悪化させる要因となることがわかっているので、こうしたライフステージでの変化や日常生活の送り方にも注意を行う必要があります。
またステロイド剤を長期間しようしていると、体内では副腎皮質のストレス反応が正常に行われない状態になります。こうなると急な使用の中止により副腎不全などのショック症状を引き起こすこともあるので、いつ何が起こっても継続的に使用出来るように常に携帯しておくなどの対応を取る必要があります。

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