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感染病の結核を発症するのは約1割。進行すると肺が空洞を形成

      2017/01/27

感染病の結核を発症するのは約1割。進行すると肺が空洞を形成

概要

結核は結核菌の感染によって起こり、感染が進んで悪化すると肺に空洞を形成することもあります。

結核菌に感染しても通常はほとんど発症することはありませんが、免疫力の低下などの内部的要因によって多くは発症します。
結核が実際に発症する割合は約10%で、残りの90%は一生結核を発症することはありません。
結核の発症には一次結核と二次結核とがあり、発症する約10%の内、5%が一次結核、残りの5%が二次結核です。

結核菌が気道から体内に侵入した場合には、肺に進入してマクロファージという捕食細胞に自ら進入してその内部で増殖を繰り返すことで、肺胞に感染増殖して結節を形成します。
通常結核菌は結節に閉じ込められ、あるいは肺尖部に定着し休眠状態となります。

結核菌に感染して空数年経って、免疫の低下などの要因によって潜伏していた結核菌が再燃し、病巣を形成し成長していきます。
病巣は次第に壊死しチーズ状のどろどろした状態になっていきます。

このチーズ状の組織がそのうち気管支に崩落し、その部分が空洞になります。
そして、気管支に崩落した組織を通じて肺の他の部分にも感染が広がり、また空洞になって行きます。
結核の空洞形成はこのようにして進んで行きます。

症状

結核菌に感染して発症すると、最初の頃には肺炎のような症状を起こします。
リンパ節が腫れたりといった症状も出ることがありますが、大きな変化ではありませんので気付かれないことが多いようです。
また、多くの場合にはこの状態で一旦休眠状態となりますが、結核菌は死んだわけではなく閉じ込められている状態ということになります。

肺結核では、初期には全身倦怠感、食欲不振、体重減少、長期に続く微熱、寝汗をかくなどの症状があります。
肺結核の病状が進むと、咳嗽、喀痰、血痰、喀血、胸痛、呼吸不全などの症状が出てきます。
また、結核は肺だけでなく全身に広がる病気でもあります。

肺以外に起こる結核としては、筋骨格系の結核症である脊椎カリエスが有名ですが他にも全身の関節や骨などにも起こる可能性があります。症状は疼痛や腫脹といったものです。
他には皮膚結核があり、こちらも全身の皮膚に生じる可能性があります。症状は紅斑や丘疹、膿疱、潰瘍などが発生します。

その他、結核性リンパ節炎では腫脹や腫瘍化、結核性心膜炎では発熱や寝汗・疲労など、結核性腹膜炎では微熱や腹痛・食欲不振・体重減少など、腸結核では腹痛や下痢・閉塞症状・体重減少など、腎結核では膿尿や血尿など、結核性卵管炎では腹痛などの症状があります。

原因

結核の空洞形成の原因としては、まずは結核菌への感染があります。
結核菌は空気感染するため、気付かずに放置してしまうと感染者が一気に増えてしまう危険があります。

次に、結核菌の大きな特徴として、人体の細胞内に寄生することができるという点があります。
細胞に寄生した結核菌に対して、人体の免疫システムは細胞ごと排除しようとするため、組織が破壊され、チーズ状のどろどろした状態になったり、さらには空洞になってしまうこととなります。

このようなことが進んでいくと、さらに感染と空洞が広がって行き、重篤な症状を呈するようになってしまいます。
肺結核では喀血や窒息ということが起こってきますが、それもこのような結核菌の特性と人体の免疫システムによって起こっています。

ただ、多くの場合は感染しても一生の間発症しない場合が多く、発症する人の割合は1割程度です。
何らかの原因で免疫機能が低下してしまうことによって、長年休眠状態になっていた体内の結核菌が活性化して発症することが多いようです。

免疫能力の低い人の場合、症状が重症化することが多く、顕著な例としては免疫抑制剤を使用している患者やエイズの患者などがあります。
こういった患者が耐性菌に感染したりすると、さらに治療が困難になってしまいます。

診断

結核の診断のための検査には、主として画像診断と喀痰検査が用いられます。
喀痰検査では検体に抗酸菌染色を行い、顕微鏡を用いて塗抹検査法という検査を行ないます。
この検査では、結核菌が赤く染まり、顕微鏡でその部分があるかどうかを調べます。

同時に同じ検体で結核菌のDNAやRNA遺伝子があるかどうかの検査も行うことが多いです。

この検査には短時間で結果が出るという利点があるんですが、死んだ結核菌にも反応してしまうという欠点もあり、確定診断には培養検査の結果を待ちます。

培養検査とは、培養シャーレの培地に検体を塗りつけ、菌が増殖するのを待って、結核菌の有無を調べる検査です。
結果が出るのにおよそ4~5週間が必要になります。

この検査では、結核菌の有無だけでなく、薬剤への感受性検査を行い、どの抗結核薬が効くかどうかも調べられます。

検体検査と同時に画像診断も行ないますが、まずは胸部レントゲンを行い、必要があればCTの撮影を行います。
画像診断では病巣の存在と広がりを確認することができます。

肺結核では結節性の浸潤影や空洞性の陰影として認められ、そのまわりに小さい塊が分布していることが多くあります。

また、粟粒結核の場合には粟の粒のような小さな影がたくさんある他、胸水の貯留やリンパ節の腫大なども認められます。

治療方法

結核の治療には抗菌剤の4剤併用投与を行うのが一般的です。

その4剤とはイソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、エタンブトールになります。
以前はストレプトマイシンの単独投与でかなりの効果を認めたようですが、耐性菌などの増加によって、現在はこの方法が主流になっています。

この治療方法は肺結核に限ったことではなく、全身の結核に対して4剤併用投与が行われます。

結核患者が排菌をしていて他の人に移してしまう危険がある場合には、法律により結核病棟への入院が義務付けられています。
喀痰検査等を行なっても排菌していないことが確認できた患者については通院治療で抗菌剤の投与を行ないます。

過去には特効薬がなく不治の病と恐れられた結核ですが、ストレプトマイシンという抗菌剤ができたことにより治る病気になりました。
さらに現在では多剤投与を6~9ヶ月間行なうことで、再発率を5%程度にまで抑えることができるようになりました。

結核の治療において注意しなければいけないことは耐性菌ができてしまうことで、これは患者が勝手に治療を中断してしまったりして結核菌が薬剤に耐性を持ってしまうことにより出来てしまい、集団感染につながってしまいます。

なかでも多剤耐性菌による感染の場合には治療に難渋することが多く問題となっています。

対応策

結核や、それによる空洞形成の対応策としては、やはり予防ということが欠かせないものとなります。

日本ではBCGの予防接種が行われており、特に小児の結核性髄膜炎や粟粒結核の発生を抑える効果があると言われています。
大人の結核を抑制できる有効性は約50%程度とされていますが、確かな根拠はないとも言われています。

結核による空洞形成のように重症化を防ぐための対応策としては早期発見と早期治療が重要になります。
企業に対しての結核検診などが法律により義務付けられており、胸部レントゲン撮影を定期的に行なうことでの早期発見を目指しています。

しかし、医療機関の見落としによる集団感染というような問題も発生しており、学校や医療機関への注意喚起の通達なども出されています。
咳や微熱が長引いたりする場合、結核の可能性もあることの広報活動などもされており、社会全体の認知度は上がってきているようです。

さらに、結核の治療を困難なものにしている耐性菌への対応策としては、直接監視下短期化学療法という方法が普及していく方向となっており、患者の勝手な判断による治療中断を防ぎ、耐性菌の発生を抑える努力がされています。
また、耐性菌にも効果のある新たな抗結核剤の開発も進められています。

 - Ⅳ型, アレルギーの種類