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水疱瘡(みずぼうそう)はかかるのが当たり前? 妊婦は特に注意!

      2017/01/19

水疱瘡(みずぼうそう)はかかるのが当たり前? 妊婦は特に注意!

水疱瘡(みずぼうそう)は正式には水痘(すいとう)と呼ばれる伝染性疾患です。

子どもの頃に誰でも1度は感染する感染症というイメージをお持ちの方も多く、1度自然感染するとそれ以降発症しないと思っていませんか(大体正しいといえますが、当然例外もあります。この点は後述いたします)。

最近ではワクチンによる予防を幼児期に受ける場合が多く、2014年からは小児に水疱瘡ワクチンの定期接種化がはじまっています。

これからは確実に予防することが重視されていくでしょう。

水疱瘡にかかるメカニズム、原因

水疱瘡は、水痘帯状疱疹(すいとう・たいじょう・ほうしん)ウイルスと呼ばれる伝染性のウイルスに感染することで発症します。

感染の多くは、空気中に散らばったウイルスを人が吸い込んで感染する空気感染によるものですが、接触感染による場合ももちろんあります。

およそ10日から20日間の潜伏期間を経て発症するケースが多いようです。

ちなみに水痘帯状疱疹ウイルスは人間のみ宿主としているので、動物からの直接的感染は基本的にありません。

水疱瘡の症状

水疱瘡の症状は、基本的に段階を経て変化していきます。順番にみていきましょう。

1)初期症状として、小さな赤い発疹(ほっしん。あるいは、はっしん)が皮膚に出現。大きさは3~5mm程度のことが多いようです。ちょっとした虫刺されの症状に似ています。なお、発疹が出る前に発熱、倦怠感、腹痛などの症状が出ることもあります。特に大人になってから感染した場合には高熱が出ることがあります。

2)徐々に発疹が全身に増えてきます。一度に出現するのではなく、半日から数日間にかけて増えてくるパターンが多いようです。

3)1つ1つの発疹が水疱(すいほう。いわゆる水ぶくれ)状態に変化してきます。発疹から水疱に至る期間は、数時間から1日程度の場合が多いです。

4)水疱が、膿疱(のうほう。水ぶくれにウミがたまったモノ)状態になります。こちらは水疱の初期状態からウミを伴っているケースもあり、割と短時間で変化するようです。水疱から膿疱の状態がもっともかゆみを伴います。

5)膿疱がかさぶた状に変化してきます。発症から10日間程度でこの状態となるの通例です。なお、発疹に時間差があることにより、発疹や水疱や膿疱、かさぶたの状態が混在するパターンが多いことにご注意ください。

6)かさぶたがはがれて元の肌の状態に戻り、一応の治癒となります。かさぶた状態からこの状態になるまで、おおよそ3週間程度かかります。

水疱瘡は人にうつる?

先に書きましたように、水疱瘡は水痘帯状疱疹ウイルスにより人の間で空気感染、もしくは接触感染します。

特に、ウイルスの感染性がかなり強力で、同じ部屋に居ただけでも空気感染するリスクが高くなります。

ですから学校保健安全法と呼ばれる法律で、全ての発疹がかさぶた状になるまで出席停止が求められるなどの厳しい対応を求められているのです。

また、水疱瘡の流行は冬から初夏に掛けての時期となっていますが、幼稚園や小学校などに新入学する子ども達であふれる春先に特に集中しています。

新しい集団との接触が増えれば、感染の可能性も高くなるといえるでしょう。

水疱瘡になったときの注意点

水疱瘡に感染して発症してしまったら、いくつか注意しないといけない点があります。

まずは水疱から膿疱状態にかけてかゆみを伴いますが、この状態では水疱や膿疱には大量の水痘帯状疱疹ウイルスが含まれています。

そのため、水疱、膿疱をかきむしったりすれば水疱や膿疱が破れて、中のウイルスが外部に流出してしまいます。さらに感染を広げることになりますので、特にかゆみが我慢できない乳幼児などの場合には注意が必要です。

また、場合によっては、かきむしることで肌が綺麗に治癒せず、痕(あと)が残ってしまうこともありますので、「見た目」にも問題が残るケースがあります。

それもかきむしったり潰したりしないようにすることの大きな理由です。

水疱瘡の治療法

水疱瘡は多くの場合、そのままでも重症化せず治癒にまで至ることが多いですが、症状によっては治療を必要とすることもあります。

まず、かゆみがひどい場合です。子どもの場合、かゆみが我慢できないとかきむしってしまいますので、上記のように感染を広げる恐れがあります。

それを避けるため、かゆみを抑える治療として抗ヒスタミン薬やカチリ(フェノール亜鉛華リニメント)が処方されます。

かゆみも含めた水疱瘡の全体的な症状を軽くし、治癒を早めるためのウイルスそのものに対する治療としては、アシクロビルや塩酸バラシクロビルという抗ウイルス薬の投与があります。

高熱が続く場合には解熱剤を投与します。ただし、アスピリン系の解熱剤は使用すると脳炎などを引き起こすケースがあるので、絶対に服用してはいけません。必ず医師の処方を受けてください。

また、直接的な治療ではありませんが、水疱瘡は身体を暖めるとかゆみが悪化するため、体調が悪いからといって身体を暖めることは避け、どちらかと言えば冷やすようにしてください。

口腔内で水疱瘡が発症すると食事を摂ることが難しくなるため、刺激の強い食べ物や酸っぱい食べ物を避け、流動性の高い食べ物を与えるように注意してください。

水疱瘡の恐ろしさ

基本的に子どもの水疱瘡は軽い症状のまま治癒することが多いのですが、まれに重症化(特に成人や抵抗力が落ちた人が感染した場合)することもあります。

水疱瘡の症状そのものの重症化では、大量の発疹が出たり高熱やそれに伴う脱水症状が典型例です。他にも、上気道に発疹が発生して呼吸困難などの症例もあります。

ただ、重症化の多くのパターンが合併症と呼ばれる、水疱瘡とは別の症状を発症するパターンです。

かきむしった場所から感染することが多く、主な症例としては熱性けいれんや肺炎、脳炎、骨膜炎などが挙げられます。特に脳炎や骨膜炎は危険ですので注意が必要です。

また、妊婦の方はとても危険です。妊娠時に水疱瘡に感染すると、合併症としての肺炎を発症する可能性が高くなり重症化します。

そして、母体から胎児に感染して影響が及び、流産、早産、あるいは赤ちゃんに障害(脳炎、脳萎縮、皮膚に痕が残る、手足の発育不全など)が残ることがあります。

特に妊娠段階によって状況が変わりますので、整理しておきます。

1)妊娠初期(およそ4ヶ月未満)で母体に感染すると、早産、低体重、障害を発症しやすくなります。ただし、割合としては数%ともいわれ、過剰に心配するほど高確率ではありません。

2)妊娠5ヶ月目から出産直前までの感染では、生まれてくる赤ちゃんが乳幼児期(つまり早期)に水疱瘡を発症する可能性が高くなります。

3)分娩の直前直後(分娩5日前から出産して2日後あたり)の段階での周産期水痘と呼ばれる感染では、赤ちゃんがウイルスのみの感染で抗体を母体から受け継ぐ間もないので非常に危険です。5割前後の赤ちゃんで発症し、そのうち2割~3割前後の赤ちゃんが死亡するというかなり深刻な状態です。

妊婦が水疱瘡に感染する可能性はかなり低い(0.1%前後)ですが、このようなことを避けるためにも、水疱瘡を発症したことのない方は、妊娠前に予防ワクチンの接種を是非受けてください。妊娠してからはワクチンの接種は出来ません。

そして、意外に注意が必要なのは、すでに水疱瘡に感染したことがある人の再発です。

帯状疱疹(帯状ヘルペス)と呼ばれる症状です。水疱瘡のウイルスは治癒した後も体内の神経の付近(神経節)に潜んでいます。

大半の方は抗体ができていますので再発しにくいのですが、疲労やストレス、加齢などで抵抗力などが落ちると、神経の分布に沿って発疹が発症することがあります。また、神経に影響する関係で強い痛みを伴う場合があります。

このように、水疱瘡と言えども場合によっては危険だったり、再発したりしますので、決して安易に考えない方がよい病気といえるでしょう。

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